世界観が良さそうだったので購入。
両手の同時操作に慣れるか慣れないかで評価が変わりそうなゲーム。
ストーリー
牢獄に囚われた母を救うため”禁断の森”を訪れた、幼き魔女「セレッサ」。窮地に立ったセレッサが魔界から召喚した、生後間もない悪魔「チェシャ」。不気味な妖精たちが暮らす森を舞台に、未熟なふたりの冒険が始まります。
セレッサが魔導術で拘束し、チェシャが爪や牙で攻撃…
一人では手を焼く強敵にも、力を合わせることで対等に渡り合うことができます。
引用:ベヨネッタ オリジンズ: セレッサと迷子の悪魔 ダウンロード版 | My Nintendo Store(マイニンテンドーストア)
ベヨネッタシリーズ主人公の幼少期「セレッサ」が主人公のダークファンタジーアクションアドベンチャー。
ベヨネッタシリーズのスピンオフ扱いですが、シリーズ最初の時系列扱い。 リアル調なベヨネッタシリーズと違い、デフォルメされた絵本調のグラフィックが特徴でゲームシステムなども大きく異なります。
・
収集物を探しながら遊ぶと約20時間でクリア。サクサク進めるなら10〜15時間でクリアできそう。収集率100%にはタイムアタックが必須。自分はタイムアタックしないので収集率は97%でした。着せ替え以外はコンプ?でプレイ時間25時間。
自分もベヨネッタシリーズは未プレイですが気にならず遊べました。
ファン向けに背景の飾りに小ネタが仕込まれてたり、ベヨネッタの楽曲がセレッサ向けにアレンジして使用されているようです。ただ、あくまで小ネタの範疇なので知らなくてもストーリーの理解度に影響はありません。
メインストーリーは未プレイでも大丈夫でしたが、クリア後に遊べる「ジャンヌ外伝」はシリーズファン向けかも?未プレイだと「なんか重要そうな話してるけど何言ってるんだ…」って感じでした。多分ベヨネッタ3?の話かな…。
・
また、このゲームはセクシー要素皆無なので親の前でも遊べます。
ベヨネッタはポールダンスですがセレッサはバレエ。長い手足を駆使する点は同じなので上手な着地点だなと。
ゲームシステム
このゲームは操作性が特徴的。左手でセレッサの操作、右手でチェシャの操作を「同時に」行います。
とにかくこの同時操作の癖が強いため、他に複雑なことは求められません。ボタン操作は長押し・押し込み・連打など簡単なものですし、ある程度自動で向きを合わせてくれます。
・
初めは脳トレ感ありますが慣れたら自然と動かせるようになります。ただ、最初から最後まで同時操作が続くので、慣れないといつまで経っても大変なままです。
1人ずつ動かして解決できる物事が多めですが、一部は同時操作に慣れておかないと難しいステージもあります。
進め方
の繰り返しで進みます。
新能力を得たら行けなかった道に戻って進んだりするので、少し探索型の要素もあるかも。
パズルは「凍ってる道は炎で溶かす」「水を当てて回す」など、どの能力が当てはまるか考える程度。色や形状でのヒントもあるので簡単です。
戦闘
- セレッサはイバラバインドで敵を拘束して動きを止める「補助」担当
- チェシャは爪や噛みつきで敵に攻撃する「攻撃」担当
2人の出来ることはキッチリ分かれています。
セレッサは攻撃技を持ちませんが攻撃アイテムを使えば攻撃も可能。チェシャのサポート技?は体を壁にしてセレッサに向かう攻撃を防ぐくらい。
チェシャは倒れても復活しますが、セレッサが倒れたらゲームオーバーなので戦法としてはアリです。ゲームオーバー画面も綺麗なので1回見ておくといいかも。
難易度
すべて同時操作を前提に調整された難易度だなと感じました。そのため同時操作に慣れさえすれば難易度は高くありません。
難易度はオプションで細かく変更可能。「ダメージを受けない」「自動で行動する」「敵を弱くする」など調整できます。
自分は初期設定のまま遊んでましたが、同時操作には早めに慣れたので回復アイテムが余るくらいでした。どのくらい操作に慣れているかで難易度が変わるゲーム。
世界観
キャラクター
セレッサ(cv沢城みゆき)
主人公。補助担当。
掟を破った両親から生まれた禁忌の子。生い立ちのせいか臆病だけど見栄っ張りな性格。母親から貰ったぬいぐるみチェシャを大事にしている。
チェシャ(cv谷育子)※ナレーション調
ぬいぐるみに取り憑いた悪魔。攻撃担当。
セレッサが未熟なため魔界に戻れずにいる。魔界に帰してもらうためセレッサとしぶしぶ行動する。
モルガナ(cv榊原良子)
セレッサの魔術の師匠であり育ての親。
町外れに1人で暮らしている実力者の魔女。
謎の少年(cv村瀬歩)
セレッサの夢の中に現れた少年。
森に来て封印を解いてほしいと呼びかけ、白いオオカミの後を追うように伝える。
ヒトダマ
森に迷い込んだ人間の成れの果て。妖精たちの遊び道具にされている。
収集要素。
・
セレッサ役の沢城さんの演技が良いです。セレッサは基本おびえ声と悲鳴が多いんですが、何に怖がってるのかでも細かく演じ分けていますし、序盤と最終面での声色も違っています。
ベテラン勢では、ナレーター役の谷さんは「おばあちゃんに絵本を読んでもらってる」感があり、モルガナ役の榊原さんは「厳しく威厳のある魔女」がとても似合っていました。
グラフィック
絵本調の世界観から外れないビジュアルで統一されています。とにかくグラフィックが綺麗なゲーム。「ダークだけど綺麗で可愛いファンタジーな世界観」が好きな人にオススメ。
モデルの造形、文字の書体、UI、読み聞かせ風の朗読など、あちこちが可愛く綺麗にまとまっています。
メインストーリーは分かりやすく優しめに書かれていますが、道中で拾える手記はダークめ。森に迷い込んだ魔女の末路が語られています。
ヒトダマも何か突き刺さってたりすごい造形してることが多め。間接的にダークな雰囲気を感じられます。
進行度で頻繁にステータス画面やキャラクターの紹介文が更新されます。敵やヒトダマ1体1体にも違う紹介文が用意されていて面白い。
ステータス画面を開くことはあまり無いんですが、短い間しか見れない立ち絵もあるので気がついたら眺めてみると変わってるかも。
クリア後要素
着せ替えができる
セレッサとチェシャに着せ替えができるようになります。ベヨネッタの衣装もありました。この絵柄でベヨネッタ姿が見れるのは良いですね。イベントシーンでも変更した服装に適用されて面白いです。
ただ、自分が2周目を遊ばないタイプなものでクリア後じゃなく1周目プレイ中に着替えたかったなという気持ちが強め。でも初期の格好じゃないと困る箇所もあるので仕方ないですね。
ジャンヌ外伝
メインストーリーをクリアすると「ジャンヌ外伝」が遊べるようになります。1時間ほどでクリアできるボリューム。
セレッサの友達「ジャンヌ」を操作。いろいろあってチェシャは「チャールズ」というぬいぐるみになっています。操作は「イバラバインドの範囲が広い代わりにクールタイムが長い」の違いだけ。チャールズも全属性を入手したチェシャと同じ。ただし回復アイテムがありません。
惜しい点
褒めてくれる人が少ない
チェシャはいじわる、モルガナは厳しい、と褒めてくれる人が少なめ。「セレッサが褒めてもらえない=プレイヤーも褒めてもらえない」ので達成感が得づらいかも。
これは「チェシャと仲良くなる」まで頑張ってください。仲良くなってからが本番なので。謎の少年とヒトダマたちは褒めてくれます。
・
プレイヤーへの達成感ポイントはゲーム部分に用意されています。パズル解けて嬉しい、収集要素見つけて嬉しい、ボス倒せて嬉しい、うまく操作できた、部分ですかね。あちこちに用意されています。
語りが長め
絵本の読み聞かせテイストなので読みがゆっくりです。自分はすぐ操作したい派なので少し長く感じました。
まあここは世界観重視ですね。序盤は特に説明が入るので長く感じますが、それ以降はそこまで長くありません。「自動ページ送りON」だと読み聞かせ感が出てくるのでおすすめ。
敵の見た目が少ない
敵の9割が妖精。帽子被ったり盾持ったり大きくなったりする違いはありますが素体がほぼ同じ。見た目の変わり映えがしません。
なので残りの1割、妖精と見た目が違う敵が出てきた時はテンション上がります。
ストーリーの変化
始まったら終盤までストーリーにそこまで大きな変化なく進むので、中盤にも何か大きい出来事あっても良かったのかなあと。
「まさかこのまま普通に想像通りのまま終わらないよな…?」と終盤近くまでヒヤヒヤしていました。終盤はちゃんと面白いです。
その他
- ワープ地点が少ない。結構あちこち行くんですがワープが少ないので行き来が大変。もっとあって良かった。
- マップのエリアの繋がりが分かりづらく、階層と階層の間の微妙な位置にあるアイテムが探しづらめ。
- (これは個人的な意見)収集率100%にタイムアタックや高難易度クリア必須にするのやめてほしい
まとめ
全体的なゲームバランスも良いですし、グラフィックも一貫していて完成度が高いゲームでした。
あとはとにもかくにも同時操作に慣れるか慣れないかですね。自分は早めに操作に慣れたので大丈夫でしたが、慣れないままだと大変なので…。
同時操作であることに考慮した全体バランスなので、操作にさえ慣れてしまえばシンプルなアクションアドベンチャーです。自分はもう少し何かあってもよかった気もしますが、同時操作でいっぱいなところに要素を増やすと難易度が上がるからグラフィックや図鑑などの「見て楽しめる」部分に力を入れたのかなと思います。
無料体験版あり。セーブデータ引き継ぎ可。
Switchで発売。定価6,500円でニンテンドーカタログチケット対象。
開発ブログで制作の裏側を見るのも面白いです。