ぽつねんブログ

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【Milk Inside A Bag Of Milk Inside A Bag Of Milk】【Milk Outside A Bag Of Milk Outside A Bag Of Milk】感想

怖い画像の使用は控えましたが苦手な人は注意。精神系のゲームになります。

 

 

 

 

1作目「Milk Inside A Bag Of Milk Inside A Bag Of Milk」
2作目「Milk Outside A Bag Of Milk Outside A Bag Of Milk」
があります。2は1の続き。

 

どんなゲーム?

1、2どちらも会話選択型のグラフィックノベル独特な空気感、選択肢によって細かく変わるリアクションを楽しむゲーム。ホラーというか鬱ゲー寄り。
1は10分。2は20分くらいで1周できるボリューム。

恐怖要素とジャンプスケア*があります。
苦手でも遊びたい人は音量下げたり、顔から離して遊んだ方がいいです。1はジャンプスケア多め、2は不気味な造形が多め。
*ジャンプスケア=何かが急に画面全体にドアップで現れる驚かせ方法

 

あらすじ・世界観

どちらも「病とトラウマを抱えた女の子のイマジナリーフレンドとなって、女の子をサポートする」話。
女の子のご機嫌をとりつつ、行動や精神面を補助していきます。ご機嫌を損ねると、想像上の存在でしかないプレイヤーは消されてしまったり。何度もイマジナリーフレンドとしてやり直し、女の子を導いていきます。

1作目

牛乳を店に買いに行って家に帰るまでの話。

荒めのドットで全体が赤いグラフィック。とある時期から女の子には世界がこう見えているそう。世界が見づらく、人が人の形に見えなかったり何言ってるか理解できない女の子の視点を追体験します。
選択肢を選ぶことしか出来ないため、ゲーム性はほぼ無く雰囲気ゲーに近い。

2作目

牛乳を買って帰宅した後、寝るまでの話。

オープニングアニメーションがあったり、ビジュアルが見やすくなりました。
明確に女の子の姿が表示され、表情も分かるので「会話している」感が強め。「調べる」要素も増えてゲーム性も上がりました。

 

タイトルの意味

女の子は「牛乳を買う」ことに強迫観念があるようです。それを表現するためにタイトルを2回繰り返してるのかなと思います。

「店にミルクを買いに行って買い物袋に入れる」「家に帰ってミルクを買い物袋から外に取り出す」間の出来事を描写したゲームです。

 

メタ要素が多め

「私はキャラクターだから」「この枠じゃまでしょ。消すね。(会話ウインドウの枠が消える)」とか。消された後、同じ名前を入れると「またあなた?今度は大丈夫かな」の反応が返ってきたり。
かなりメタ要素が強いゲーム。ただそれが演出に絡んできたり、テーマとも合っているので扱いが上手。

 

恐怖要素

「造形が怖い」「意味が分からなくて怖い」系。言葉遊びが独特。


1はジャンプスケアが多め。
2は「対話」に重点が置かれているため、会話の集中力が切れるジャンプスケアが少なめ。かわりに不気味な造形が多め。

「穴」が怖いとウッとなるかも。真っ黒で空洞な目とか。自分はダム穴が苦手なのでウッとなりました。

 

良い点

グラフィック

1と2でグラフィックに変化がありますが、世界観は同じなので違和感ありません。自分はどちらのグラフィックも好きです。

1は慣れない外に行ったから緊張してハッキリ見えない。2は慣れてる自分の部屋にいるから視界がクリアに見えるのかなと思ったり。

 

翻訳

翻訳クオリティはとても高いです。発売当初は良くなかったらしいですが今は改善されています。

1は「この女の子と自分は誰で、どういう状態なのか」が伏せられているので状況がどうしても分かりづらめ。翻訳自体はしっかりしているので、女の子と自分のポジションが分かれば理解しやすくなります。
それでいて「言ってる意味が理解できない文章」は「文章としては成立させつつも意味が分からない文章」として訳せています。上手。

 

演出

10分20分で終わるボリュームなので演出で変化つけています。
交互に出して違いを見せる、「ボタンを押したら次」ではなく急に見せる、といった見せ方の演出。メタ台詞からのUIに変化を加える演出。喋る時のSEや展開に合わせた音の変化など、あちこち凝っていて良いです。

 

音楽

静かなでゾワゾワくる曲が多め。独特なグラフィックに合う独特な音楽。

Milk outside a bag of milk outside a bag of milk extended soundtrack - YouTube

(↑)ゲーム内でも使用音楽が聴けますが、作曲家ご本人がYoutubeに楽曲をあげています。

ジャンプスケア時の音は「爆音で驚かす系」はなく、逆に「無音・重低音にする系」。叫ぶ怖さではなく息が詰まる怖さ。

 

 

惜しい点

ボリューム

良くも悪くもボリューム少なめ。「短いゲーム」と知らずに遊んだので短さに驚きました。個人的には1と2両方遊んでゲームとしてちょうどいいくらい。

短いので2つ合わせて1,000円ほどで購入可能。お金かけず短時間で遊びたい場合に向いていますが、考え込むゲームなので「気軽に」遊べるかはあやしい…。


ゲーム性

1は「絵と音と選択肢がある短い読み物」。ゲーム性が無くすぐ終わったのでう〜ん?となりました。2で改善されていたので良かったです。

ノベルゲームにしては珍しくSwitchの画面タッチ機能が有効。細かい変化差分やマルチエンドで周回する時に画面連打すると楽です。

 

 

まとめ

ストアに並んでいる時から「謎のサムネ+妙に長いタイトル」が異彩を放っていました。Steamでも「圧倒的に好評」だけど、説明読んでも分からない謎のゲーム。色使いがすごかったことにも興味があり購入。

遊んでみると「テーマに合ったグラフィック+言葉遊び+演出」と「イマジナリーフレンドになる」と他では見かけない点が評価されてるなと思います。考察ポイントが多く残されているのも人気がある理由かも。噛めば噛むほど味が出るゲーム。
短時間で終われて選択肢型だから詰むこともなくお手頃価格。それでこの体験できるのは貴重。

ただ恐怖要素やメンタルに刺激が強いゲームなので万人にオススメできないゲーム。ダメな人には本当に具合が悪くなるらしいです。自分はジャンプスケアにウッと来た以外は大丈夫でした。遊ぶ場合は無理せずどうぞ。

 

 Switchでは1と2のセット売り。Steamでは単品ずつ買えます。