「ジャンプゲーにアクション要素を加えたゲームってどんなのだろう」と体験版を遊んだら操作感が良かったので製品版も購入。体験版の感想はこちら。
のんびり進めてようやくクリアしたので感想。根性が必要とはいえ、全体的に良いゲームでした。おすすめ。
ストーリー
だが、ククルタワーでは独裁政府アンリアリティが中毒性の強いククルキャンディーを製造し、市民を支配していた。
このアンリアリティを倒すために自警団グラウンドは、過去に名を馳せたエージェントだった主人公に使いを寄越す。
まとめると、「ククルタワーにいる『アンリアリティ』という悪い組織を倒してほしい」と頼まれて登っていく話。
ククルタワーを上がるには階層ボスが持っているククルキャンディーを食べる必要があり、ククルキャンディーには「1個消費すると現実を忘れる、2個で目的を…9個消化すると存在を失う」と妙な効能があります。
キャンディーを全てを食べ終えたククルタワーの頂上にあるものとは…?
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ストーリーが良かったゲームです。
こういった苦行寄りのゲームにはストーリーないものが多いんですが、Blade Jumperはしっかりしたストーリーがありました。イベントシーンは複数枚のイラストで見せたり、演出にも手が混んでいます。
途中にいる仲間のエージェントや、タワーの住民との会話で真相が掴めてきます。仲良くなったり、敵対したり、いろいろな展開が見れて面白かったです。
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クリアにかかった時間は約13時間。
ゲーム内の翻訳もきちんとしていました。キャラによって一人称や口調も変えてて上手。
ゲームシステム
操作は「移動」と「ジャンプ」しかないのでシンプル。2Dアクションゲームをジャンプ縛りで遊ぶ感じに近い。
ジャンプの挙動は有名なジャンプキングとほぼ同じ。違うのは「攻撃してくる敵がいる」「ステージがアクションゲーム寄り」なこと。
ジャンプ
ジャンプが移動・攻撃・回避の全アクションを担っています。
ジャンプの向きは45度刻みの8方向。ジャンプの強さは弱中強の3種類。ジャンプには溜め時間が必要で出は遅め(=攻撃の出も遅め)。
飛ぶ方向の矢印、溜め時間のゲージが表記されるので「どの向きに飛んで・どの強度で飛ぶか」がとても分かりやすいです。
攻撃
自分の攻撃は「敵を直接斬る」「敵の攻撃を弾き返す」の2種類。
敵の攻撃を弾き返すとダメージが倍になり、エフェクトがシャキーンとなって格好いい。
敵の攻撃は直線に撃ってくる遠距離型が多め。弾き返すか真上ジャンプで避けます。敵の攻撃に当たると後ろに飛ばされるので、場所が悪いとそのまま下に落とされることも。
空中制御が効かないため、連続攻撃されるとハメゲーになります。難所でそれやられてちょっとイラっとしたこともありました。
体力・ボス
道中は体力表示がないので攻撃を受けまくっても死にませんが、ボス部屋に入ると体力(左下)が追加されます。負けてもデメリットはなし。
ボス部屋に穴はないので「落とされる」心配はないです。純粋なアクションゲームでした(チュートリアル戦だけ逃げる用の穴がある)。
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ボス戦は基本死に覚えゲー。
理不尽ゲーではなく攻撃前に光ったり攻撃範囲に色がつく、といった丁寧な動線がちゃんとありました。繰り返すことで勝てるようになるので、自分的にはちょうどいい難易度でした。
ステージ構成
ステージのつくりはアクションゲーム寄り。
長く乗っていると消える足場、タイミングよくボタンを押して連続移動するギミック、操作の上下左右反転、などアクションゲームでもよく見かけるギミックがあります。
新しいギミックが増えていくので、最後まで飽きずに遊べるのが良いです。新しい操作は足場が安定した練習場を最初に用意してくれるのも丁寧。
画像見てもらうと分かるように、足場はジャンプゲームにしては広め。このゲームはジャンプの制御ミスだけでなく、ギミックや敵の攻撃でも下に落ちやすいので足場が広く調整されています。
ステージは垂直に真上へ登るだけでなく、横に進んで蛇行しながら上に登る道も多め。
いったん上に行ってから特定の場所で下に落ちないと行けない部屋もあったり。そういう所は誰かがいたり、着せ替えアイテムが落ちているおまけルート。頑張れる人は寄り道してみるといいかも。
難易度
難しめ。道中もボスも繰り返して覚えるタイプなので根性が必要。
道中はジャンプアクション、ボス戦はアクションゲー、とジャンルが変わるので違った難しさがあります。
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難しいゲームではありますが、「最初から最後まで同じことをやり続ける苦行ゲー」ではなく「ジャンプ縛りのアクションゲームをしてる」感覚でした。ストーリーあるし、新しいギミックあったりと変化があるので作業ゲーではなかったと思います。
上層はこれまでのギミックを組み合わせた応用ステージ。ここがなかなかの難しい。
自分は「ストーリーの続きが気になるから頑張ろう」「アクションとか操作自体は好き」なので最後まで進めました。
ドット・音楽
階層によって雰囲気が変わるんですが、どこも綺麗で良かったです。
下層は人が多くてにぎやかな街っぽく、上層になるにつれて奇妙な雰囲気になっていきます。そういった雰囲気の移り変わり、光と影の当たり方で主人公に落ちる色が変わったりと綺麗でした。
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音楽、SEもゲーム性に合っています。
思考や集中の邪魔にならず、かといって印象に残らない音楽でもないちょうどいいBGM。
また、居合の勢いでジャンプしているのでスパッ!スパッ!とスッキリしたジャンプSE。ずっと聞くことになる音ですが、爽快なので気持ちよく聴いてられました。
気になった点
一部の敵の仕様
攻撃速度が速すぎる敵(反射もできない?)、動きスローにしてくる敵、左右反転にしてくる敵など。こちらの動きに対してそれは無理では?ジャンプゲーで動きに干渉してくる敵はどうなんだ?とは少し思いました。(自分が下手なだけの可能性もありますが…)
合わせ技で「上下左右反転ステージで、攻撃に当たるとさらに左右反転」になった時はさすがにビックリしましたね…。
セーブの説明
体験版の感想でも書きましたがセーブの説明がありません。
「体験版と同じ(セーブ不可)」「特定の場所だけセーブ」「オートセーブ」のどれなのか、実際ゲーム終了してみるまで分かりませんでした。
ボス部屋前に意味深な焚き火があるので「もしや、ここでしかセーブできない…?」と勘違いしてたことも。
ヒヤヒヤしていったん終了してみたら「同じ場所で再スタート」したので、オートセーブですね。その一文がどこかに欲しかった…。
バグ
ボス戦でちょっとバグが起きやすい気がしました。ボスが動かなくなったり、倒してないけど倒した判定になってたり。惜しい。
まとめ
「ストーリーよし!操作性よし!ドットよし!BGMよし!翻訳よし!」で満足度が高いゲームでした。難易度は高いので人を選ぶゲームではありますけどね。
自分に合うかは無料体験版が出ているのでそれで試すのがいいと思います。通常価格でも490円と手に取りやすい値段なのも良いです。
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ジャンプゲームは絵面地味になりがちだけど、アクションゲームのエフェクト類を入れて派手に華やかに。
アクションゲームは操作が複雑になりがちだけど、移動とジャンプだけでシンプルに。
など、お互いを補完し合った良いゲームでした。おすすめ。