ストーリーは1886年発行の原作小説「ジキル博士とハイド氏の奇妙な事例」が元になっているのでネタバレ伏せてません。一応、結末だけ伏せときます。
Switchの新年セールを見てハイドのキャラデザが好みだったので購入。
どんなゲーム?
ストーリー
1886年ロバート・ルイス・スティーブンソンのミステリー小説「ジキル博士とハイド氏の奇妙な事例」を新たな観点で再解釈し誕生したアドベンチャーゲーム。
19世紀末のロンドンの暗鬱な雰囲気を独特の雰囲気で表現したグラフィックとストーリーテリングを最大化する感性的なアートに美しいBGM。
ロンドンで行われる奇妙な事件と犯人の行方を探るため様々な地域を探索し、証拠を収集せよ!
引用 MazM: ジキル&ハイド | My Nintendo Store(マイニンテンドーストア)
https://store-jp.nintendo.com/list/software/70010000027299.html
ストーリーは本当に「ジキル博士とハイド氏の奇妙な事例」まんまです。
「ジキル」「ハイド」「二重人格」の要素だけ借りたキャラや作品は多いですが、これはきちんと原作に忠実なストーリーでした。
その「原作に忠実なこと」が特徴なため、「新しい展開」はありません。原作と違う「新しい展開」を期待しているのであれば、違います。
なので、「ジキルとハイドってタイトルは聞いたことあるし興味あるけど、小説読むのが面倒な人」にオススメ。ゲームをしながらストーリーを追うことができます。
ゲーム性
時間内にボタン連打や暗記するようなQTE要素はあります。「う〜ん…これなら無い方がマシでは…」程度のお遊びなので全然難しくありません。外してもデメリットはなく、もう1回やり直しになるだけ。
ストーリーが文章だけにならないように、ゲームっぽい何かを無理やり入れた感じ。
舞台である1880年代のイギリスを知れる小ネタが散りばめられています。
こういった小ネタは原作小説だと不要なので無いですが、ゲームだと追加情報や知識にもなるので良いですね。実績要素でもあるので、全部集めると特別なイラストが見れます。
ジキルとハイドの著者であるロバート・ルイスの別代表作「宝島」の宣伝をしている本屋もいて面白い。
キャラクター
操作キャラはジキル博士の旧来の友人である弁護士アターソン。原作小説でも彼が主人公です。
主にアターソン操作・視点で進むのですが、ジキルやハイド、その他キャラの視点・操作になることもあります。そこが「新たな観点で再解釈した」点。小説には無い「この時、このキャラは何を思っていたのか」をゲーム製作者が再解釈した視点が入っています。
自分はハイドのキャラデザにつられて購入したもので、キャラデザが好みです。
原作だとハイドの容姿は禁止用語ですごい書かれ方しています。さすがに現代でそのままだと問題があるのか「ジキルより小柄で若い・青い・悪魔の人相」あたりを参考にデザインされています。
他のアターソンやジキル、ラニョンは初老設定ですが、若いイケメンに改変されることなく、ちゃんと初老のおじさんです。よかった。
海外製作のゲームですがカートゥーン調ではなく、日本でもよく見るイラストの絵柄に近め。見慣れた感じなのも良いです。
立ち絵だと頭身高めですが、移動するときに動かす場合は2頭身になります。
スマホアプリ版
スマホアプリ版もあります。DL無料で課金要素あり。
レビューも4.0超えていて評価高めでした。課金の全部入りパック?は1,340円。
せっかくダークな絵本調の静かな世界なので、途中広告が挟まるとかコイン集めないとストーリー進まないのは癪ですが…。そういう人は課金しましょう。
惜しい点
値段が高い
ニンテンドーストアで1650円(税込)。アプリの全課金だと1340円。
5時間もあればクリア可、ストーリーは一本道、決まった行動しか出来ない、そこまでイラスト差分が無い、などのボリュームを考えるとちょっと高い。
自分はセールで825円の時に買いましたが、そのくらいが上限かなあ…という感じ。現在はセールが終了して通常価格です。
UIがいまいち
スマホ版が先に出た?からなのか、それを実機用に直していないのかで、UIが少しおかしいです。
メニューで頻繁に使う項目にデフォルトカーソルがない、カーソルが直感的に動かせない、など主にカーソル仕様に難あり。スマホなら気にならない点だと思いますが、Switchコントローラーでやると結構な違和感があります。Switchのタッチ機能は採用されていません。
例えば、この地図で「ソーホー住宅街」から「キャベンディッシュ広場」に行くには「上」ではなく「左・左」に操作します。上下の入力判定が無いのが原因?
漢字翻訳が変
海外産のゲームなので仕方ないんですが、同音異義語の誤字や漢字が旧字体だったりします。
漢字は変ですが、キャラクターの口調の翻訳には違和感ありませんでした。ラニョンの前でジキルとハイドが入れ替わるシーンの一人称の変化は上手。
これは「自身」ではなく「自信」が正しい
まとめ
自分も「ジキルとハイド」「二重人格」って断片的な情報しか知らなかったので、ちゃんと知るきっかけになりました。結末を知らなかったので「え!?これそういう終わり方するんだ!?」と驚いたり。
ゲーム後に原作小説を読みましたが、誰が誰だか不明にならずに読めるのもビジュアルがあるゲームの良いところ。「これだけ有名な小説なら大長編なんだろうな〜」と思ったら約1時間もあれば読み終わる量でした。ゲーム後だとサクサク読めるので、振り返りで読んでみるのも面白いかも。
青空文庫で読みましたが、後半の独白部分はゲームで大幅カットされてる?んですね。
「変身後は何故ハイドの方が若い姿なのか、遺言書にハイドの名を記した理由、今までの行動の理由・何を思っていたか」など、ネタバラシ部分がカットされているのはもったいない気がしました。ここは原作で確認してみるとよさそうです。