「白き鋼鉄のX(イクス)」の続編。
ガンヴォルトシリーズは毎回購入しているのでX2も購入。ストーリーのネタバレは伏せますが、アクション・システムの話はしています。
ストーリー
舞台は従来シリーズとはまったく違う異世界。機械と砂漠の異世界を舞台に、さらにハードな物語が展開されます。
引用:https://store-jp.nintendo.com/list/software/70010000044145.html
「ちょっといろいろあって異世界に飛ばされたから元の世界に戻る方法を探す」話。
最近流行りの異世界転生ものを取り入れたのかなと。「異世界もの」ということで、縁も因縁もない新しい世界で話が進んでいきます。
そのため因縁の塊だった前作と比べてしまうと薄味に感じますが、各設定を生かしているので上手です。
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前作ヒロイン枠のコハクと、今作ヒロイン枠のヌルのダブルヒロインに加え、相棒のRoRoもいます。
前作は遊んでいた方がいい?
ストーリー自体はイクス2単体でも成り立っていますし、最初に前作の大まかなあらすじ説明が入るので、前作遊んでいなくても分かります。
ただ前作イクス1の大きいネタバレが含まれたストーリー展開があるので、2を遊んでから1だと「ん?」になるかも。
アクション面
今回、システム面・アキュラの操作性の変更・廃止・新要素がとても多いです。おそらく好き嫌いが分かれます。一気に変えてきたので、なかなか思い切った判断したなと。
ブリッツダッシュ
アキュラのアクションの特徴でもありますが、大きな変更が入りました。
通常時のブリッツダッシュは1回のみ。地上に足つくとリセットされて再度利用可能に。
クードス1000以上のオーバードライブ(OD)状態だと制限時間ありで何度も空中ダッシュ可。壁や敵でバウンドすると制限時間が回復するのでこの状態だと過去作の動きに近い。モードディーヴァの覚醒状態だと空中ダッシュが無限に。
毎回地面に足をつく必要がある、と過去作と真逆のアクションになりました。
ブレイクホイール
新要素。今作から地上戦にも対応したのでそれ用の新しい近接攻撃。3段切り。
ブレイクホイールで倒せたらパキーンと敵の断面図が見えます。
リコイルダッシュ
新要素。地上ダッシュで敵や物に当たると、動かす、弾き返す、スタン…といろいろ可能。形態や動きが変わる敵もいて面白い。個人的に好きな動作。
ヒーリング
クードスが0になる代わりに制限なし・クールタイムも無しで体力全回復する救済システム。今回はこのヒーリングがあるので、穴に落ちたり、使うのを忘れない限りは死にません。ナースっぽいRoRoの演出も可愛い。
廃止になったもの
レックレス・ティミッド・アパシーの難易度設定…選択自体が無く、何度被弾してもクードスが減らないアパシー状態。
カゲロウ…近い能力はありますがカゲロウ無し。無くなった理由は会話でアキュラが喋っていました。
フラッシュフィールド…これも無し。
リロード…空中リロードも無いのでドスンと勢い良く地面に落ちるアクションも無し。
敵から回復が出ない…敵を倒してもライフ回復が出ません。リトライマークを通ると全回復。
難易度
発売前に製作陣から「今までより難しくした」とコメントがありました。
「救済手段のヒーリングありきの難易度にしてる」とのことで、ステージ攻略・ボス戦などの難易度が底上げされています。
何が違うかというと、『ガンヴォルト』シリーズは世界観やキャラクターを楽しんでもらうための2Dアクションで、『イクス』シリーズは“2Dアクションの極限をみせてやる”と言っているように、「2Dアクション好きは『イクス』で遊んでおこう!」というぐらいのつもりで作ったタイトルになります。
引用:『蒼き雷霆 ガンヴォルト鎖環』インタビュー後編。会社が一丸となって開発しているシリーズの特徴に迫る - 電撃オンライン
とのことで、難易度の違いでイクスとガンヴォルトの差別化をしていく感じですかね?
良かった点
敵ボスの印象
前作の6ボスは「個性はあるけど影薄め」でしたが、今回は兄と妹、隊長と部下、のように関係性を持たせているので存在感があるようになっています。
いつも通り最後に再戦がありますが、いつもと違った「変化」があったのでそれがとても良かったです。
自分が負けた場合にボスが一言残しますが、それも何種類かあるとか…?でもヒーリングを使いがちなので、縛りか自爆しないと聞けないことが多め。
ステージギミックが多彩
分岐ルートやちょっとした謎解き?がありました。
今までは1本道ステージでしたが、今回は分岐があります。最終的には同じ合流地点になりますが、近道になったり楽な道だったりボーナスがあったり。
以前の空中戦メインだったら確実に不採用であろう「足を止めて使うギミック」もありました。地上戦に対応したから出来たステージ構成になっています。足止めてゆっくり考えられるのは優しい。
EXウェポン
今回はどれも個性的&有能で「これさえ使っとけばいい」みたいな汎用性の高い能力が無いです(人による)。道中でEXウェポンを使うギミックも多いため、満遍なくEXウェポンを使用することに。
今まではEXウェポンは使用頻度に偏りが出がちだったので、全く使わないEXウェポンが無いのは良い改善点。操作は忙しいですがね。
サウンド設定
音量の個別調整がつきました。
ガンヴォルト・イクスシリーズは歌やBGMなど、サウンド面が特徴の1つですが、今までは個別の音量調整が出来ませんでした。地味ですがとても良い改善点。今後作るゲームにも取り入れてほしいです。
細かいドットの変化
ホイールでギャリギャリすると地面が剥げるんですが、この処理がどこでやっても?起きるので凝ってます。敵にタックルすると違った反応があったり、刃物系で倒すと真っ二つに割れて断面が見えたり。この断面図は全ての敵に用意されているそうです。相変わらずドット芸が細かい。
そういった変化や攻略のバリエーションが多く準備されているので、試して発見する楽しさもあります。
気になった点
救済の度合い
無制限に体力全回復できて、クールタイムも無い「ヒーリング」があります。クードスが0になる以外のデメリットは無し。説明にも書いてありますが「実質HP∞」状態。
とても強い分、自分から使用制限かけないと「がんばって勝てて嬉しい」気持ちがありません。駆け引きなくゴリ押しで勝てるので。
せっかく沢山考えたであろう敵の攻撃パターン・ステージギミックも全無視できてしまいます。「本当にいいのか…?それはアクションゲーとして楽しいのか…?」と今でも疑問に思います。クールタイムくらいはあっても良かったような…。
ようは「自分で難易度を調整して遊んでね」ってことかなと…。難易度の幅が広いので、セルフ縛りを設けて遊ぶのが良いかも。
ブレイクアクション
アキュラの最大の特徴であり、良さでもあった空中軌道を落としてまでブレイクホイールに破壊の爽快感があるかというと個人的には感じられませんでした。
スピードも遅く、3段切りをしても倒せない硬い雑魚が多く、完全に足を止める割に攻撃力やボーナスが突出して高いわけでもない、と「パワー特化」が全く感じられなかったので。
ただ、「使い所が分かれば」楽しい攻撃方法です。敵の配置・地形を覚える、EXウェポンとの併用前提、とアクション玄人向けですが。カジュアル勢には使い方が分かりづらく、新要素なのでもう少し使いやすくて良かったと思います。
リコイルダッシュは好きでした。吹き飛ばしやスタンで「パワー特化」がすぐ伝わるので。氷ボスの中ボスが面白かったです。体当たりする動作は元々アキュラにあるので違和感ないのかも?
【改善済】激ムズハードモードに真エンドがある
真エンドを見るための2周目の難易度が激ムズでしたがアプデで緩和が入りました。
アプデ前はアクションゲーム得意な人でも苦戦するような難易度。「アクション不得意だけど、ストーリーやキャラが好きで真エンドを見たい層」にはとてもクリアできない難易度でした。
緩和方法がヤケクソな気もしますが、ともかくこれで誰でも真エンドが見れると思うので良かったです。
あの難易度にしたいなら真エンド付けない腕試しモードにする、真エンド付けるならアクション苦手な人でもクリアできる難しさにする、の調整をしてほしかったです。
【解決済】形態変化が見えない
空中移動型のブリッツシフト、近接型のブレイクシフトと見た目が変わるんですが、動き回るのでドットの変化が見えません。肩パーツの色が変わるのがギリ見えるか…?というぐらい。凝っているのにもったいない。
【追記】ニンドリ4月号でイクス2のドット絵特集があり、上記の疑問点も書かれてあったので納得解決。こういう小ネタ情報を情報局で言ってくれると嬉しい。
ニンドリ4月号のドット絵連載は『白き鋼鉄のX(イクス)2』と『COGEN: 大鳥こはくと刻の剣』W特集!
— ニンドリ編集部の仲間たち (@Nindorikun) 2022年2月21日
令和生まれのドット2Dアクションに込められた職人技満載のインタビューです。(編集部むょー)
掲載号 → https://t.co/h13jjBt0rT#gunvolt #ガンヴォルト #CogenGame #コーゲン #ドット絵 #pixelart pic.twitter.com/H3HmZkLex8
イラストのタッチが違う?
立ち絵の絵柄の差が大きい気がしました。
アキュラやヒロイン組はちゃんと描きこまれていますが、ボスの立ち絵はアッサリめ。描いた人や時期が違うんですかね?
あと今回はロボットが多いからか、証明写真のように姿勢よく無表情な立ち絵が多め。前作は「シリアスシーンで元気な笑顔の立ち絵」のチグハグ箇所がありましたが、その方がマシなくらい無表情すぎて魅力がないと個人的には感じました。
DLC
有料DLCアビリティがハードモードで使用不可なのは勿体ない。オンオフ切り替えでよかったのかなと。
「ブリッツダッシュが使いやすくなる、ブレイクホイールの攻撃力が上がる」のアビリティが有料DLCで出ましたが、それを通常仕様にしてほしかったので「アプデじゃなくて有料で出すんだ…」と微妙な気分になっちゃったり。
その2つ以外は見た目の変化、スコアタしたい人向けのDLCで良かったです。
宣伝方法
以前は発売後の宣伝が少なかったので、発売後にも宣伝回数が増えたのはえらい。試行錯誤で広報してるのが伝わります。
ただ、ハードモード改善前に「半年かけて遊んでください」。「鎖環が出るまでの繋ぎで作った」と余計な一言あるのは直した方が良さそう。
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発売前に楽曲紹介してましたが、発売「後」に紹介した方がいいような…?遊ぶ前より遊んだ後に聞いた方が感慨深くなりそうなので。
【#白き鋼鉄のX2楽曲紹介】
— INTI CREATES Official (@GunvoltOfficial) 2021年10月9日
『ヴォルカニックロック』
作曲:Hiroyuki Sato
火山ブロックBGMであり、デイサイトのテーマ。
「熱さ」と「クール」さという相反する要素を組み合わせるのにとても苦労した1曲です。
公式サイト: https://t.co/CapCPNw5XE#白き鋼鉄のX #gunvolt #ガンヴォルト pic.twitter.com/wOCIuwURPL
まとめ
「アクション性の大幅な変更」「無制限全回復ヒーリング」「全能力縛りの強制ハードモード」と全体的に大きな変更が入っている続編でした。
いろいろ変更するのは、同じことを繰り返さず何かしら新しい要素を入れてくるインティらしいです。ただ難易度や性能の調整はもっとしてほしかった、が総評。
ちゃんと良い・改善された箇所も多いので、気になる箇所に意見が集中してしまったのがもったいない。
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「前の方がいい」「こっちの方が好き」と意見も分かれていますが、ここは人の好みなので自分で遊んで確かめてみよう!
自分はリコイルダッシュのアクションは好きですが、他のブリッツダッシュ・ホイール・ヒーリング仕様は好きじゃありませんでした。
イクスシリーズはガンヴォルトシリーズとは別の良さがあるので、また続編出してほしいですね。また異世界ものになるのもいいし、元の世界で頑張ってる様子も見たい。いろいろやれることが多いので楽しみです。