ぽつねんブログ

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【BAR ステラアビス】感想

メインビジュアルやPVを見て面白そうだな〜と思い、体験版を遊んでみたら良かったので製品版も購入したゲーム。
独自性もあって完成度が高い神ゲーでした。おすすめ。

 

体験版の感想はこちら。

 

 

ストーリー

都会の片隅にひっそりと佇む、隠れ家のようなバー“ステラアビス”。
日々に疲れきっていた主人公は、風に舞うチラシに導かれてその扉を開きます。

「どうやらひどくお疲れのご様子。さっそく何かお作りしましょうか。」
マスターに勧められるまま注文したカクテルに酔い、主人公は眠りに落ちてしまいました。

二日酔いの頭に響く聞き慣れない声で目を覚ますと、
視界には宙に浮く不思議な生き物と、花が咲き乱れる幻想的な光景が広がっていました。

そこは酒に酔った人間の見る夢――“ヨイの世界”。
主人公は顔と腕を奪われ、この夢の世界に囚われてしまったのでした

(引用:https://store-jp.nintendo.com/list/software/70010000066808.html

要約すると、バーで酒を呑んで寝落ちしたら顔と腕が誰かに取られてバーから出れなくなってしまい、取り戻すためにヨイの世界を進む話。誰が取ったのか、なぜ取られたのか、だんだん判明してきますが…?
ヨイの世界=夢の世界なので目が覚めるとバーに戻ります。バーでは「何か」を抱えた常連客と会話をし、仲良くなるとヨイの世界でも一緒に戦ってくれるようになります。

ヨイの世界(ダンジョン)と拠点(バー)を行き来するローグライク。それに装備+成長+レベルなどのRPG要素もあります。
「酒を呑んで寝ると悪夢を見やすい=ダンジョンで怪物と戦う」「酒を呑むと口が軽くなる=人の本心が分かる」要素を組み合わせてて上手い設定だなと思いました。

 

ゲームシステム

バーとヨイの世界を往復しますが、「バー4、ダンジョン6」くらいの割合。だいたい半々ですが、どちらもボリュームあるのでクリアにはそれなりの時間がかかります(自分はクリアに約80時間かかりました)


ヨイの世界(ダンジョン)

マス目型・ターン制の戦闘。道中で拾える「ステラ(強化パーツ)」を拾いながら進んでいきます。ステラによって攻撃範囲や威力が変わってくるので、ランダムで出るステラの取捨選択が大事に。

負けると無くなるのはレベル・ステラ・持ってるアイテムくらい。お金や装着中の装備は無くなりません。負けて失うものが少ないのでローグライク初心者も遊びやすいかも。

ルートの途中に「目覚し時計」という強制的に拠点に戻る施設があります。
いったんバーに戻って常連客との会話などを済ませ、改めて眠ると続きから再スタート。強化や仲間は引き継ぎ。1つのワールドで3回ほど目覚し時計を挟むので、ワールドクリアにはかなり時間がかかります。

あまり見ないゲームシステムですが、ステラアビスの遊び方に合わせて途中休憩を挟む形になったのかなと。ステラアビスは会話も重要な要素のため、一般的なローグライクの「クリアか負けるかしないと拠点に戻れない」では会話回数が少なすぎるんですよね。
時間はかかりますが、いったん戻ってアイテム補充をしたり、呑み直して再強化ができるので攻略難易度は下がってるような?


難易度

基本的にバーでカクテル強化することが前提の敵の難易度。酔っ払って寝落ちした人が行く世界なので酒呑んでた方が強いのは妥当ですね。
特定ステラが出やすくなるカクテル、ソロ時に能力が上がるカクテル、仲間と会いやすくなるカクテル、特殊地形対応のカクテルなど、さまざまな効果のカクテルが用意されています。組み合わせを考えるのも楽しい。

個人的には簡単すぎでも難しすぎでもないちょうどいい難易度でした。後半になるにつれ難易度がしっかり上がるので戦闘システムの理解は必須です。

自分もそれなりに負けて退場していますが、ルート分岐に装備強化・性能強化・アイテム複製などやれることも多く、長い道のりを飽きさせない工夫もしてあります。戦闘もなにかと考える要素が多いので戦闘自体が楽しいですし。

 

バー(拠点)

バーでは「何か」を抱えた常連客とカクテルを呑みながら会話をして親密度を深めていきます。会話には「肯・否・笑・疑・酒を呑む」の5種類で返答します。
ここで呑むカクテルがヨイの世界での強化になるため、会話が長く続くほど強化できるし、返答を間違うと会話が打ち切られて強化も中途半端に。
会話内容も面白いから長く聞きたいし、長く会話を続けることでヨイの世界での強化も増える、とそれぞれ意味があって良いです。

「ヨイの世界に来る人間はクズ」と最初ティプシィに言われますが、たしかに常連客が抱える「何か」は重め。困った癖を持ちがち。
現実だと通報案件や乱闘騒ぎになってもいいんですが、常連客たちは一応自制ができる人たちなのでそこまでいきません。対話での解決が重要視されていました。

 

相手に同意・肯定する返答だけでなく、指摘・抗議のために厳しい返答が必要なことも。変化があって良いですし、なかなかの言い合いするのでハラハラします。

これが結構難しい。ヨイの世界の戦闘よりこっちの会話に詰まることが多そう。自分も一部キャラとの同じ会話に5回以上ミスっています。

 

キャラクター

若く見える人も多いけど全員飲酒できる年齢。常連客はなぜか偽名やニックネームが多く、仲良くなると本名などいろいろ教えてくれます。


サマヨイ
主人公。会話は聞き専で酒に強い。
可愛い顔していて声も中性的だけど(多分)男性。聖人。

ティプシィ
ヨイの世界で会った不思議な生物。
ヨイの世界のことをいろいろ教えてくれる。

マスター
バー・ステラアビスのマスター。
いろいろ知っているようだが…?

レオナ
お金持ちのお嬢様学生。箱入り娘のため世間知らず気味。
正義感が強い。

ジンガ
サッカー一筋で生きてきたスポーツ学生。就活中。
元気な明るさがウリ。

キャス
ぬいぐるみと2人組設定の配信者。テンション高め。
オンとオフもテンションがあまり変わらない。

バラン
絵描きの学生。画家の父に憧れている。
スケジュール管理がちょっと下手。

カジ
仕事ができる営業マン。大人な雰囲気。
話術がうまい。

マイア
秘密が多めな大人のお姉さん。
少々手癖が悪い。

サオトメ
警戒心が強めで風貌も怪しいおじさん。
何かを調べるためにステラアビスに来ている。

キルカ
人と喋るのが苦手で酒も不得意。
理由があってステラアビスに来ている。

仲良くなる前と後で声色がかなり変わります。心を許してくれたやわらかい声色に。声優さんの演技も上手です。警戒心が強かったサオトメさんの変化は特に面白い。

 

会話ネタもなかなか途切れなかったので相当な量が用意されていますね。複数人での会話パターンもありますし。同じ会話でも返答を変えれば違う反応をフルボイスでしてくれるので差分を見るのも楽しそう。

 

音楽が良い

BGMは覚えやすく耳に残りやすいメロディー。効果音はスッキリと気持ちいいなど全体的に音が良いゲームでした。
バーは基本ジャズが流れていますが、常連客との会話内容によってBGMが激しくなったり落ち着いたりと細かく変化しますし、ヨイの世界では民族音楽っぽいものからロックにクラシックとジャンルさまざま。カクテルの混じりと夢の世界の混ざりを表現してるとかですかね?

攻撃時の音、カーソルが動く音、ステラの表示音・拾う時・入れ替えの音から、カクテルの氷がグラスに当たる音、炭酸のシュワシュワ音もかなり凝っています。どれも気持ちいい音がするので耳も楽しいです。

バーのカウンターでは「音楽を聴く」項目があるのでBGMを聴くことができます。実際にサントラが出ていましたが現在売り切れ。再販してほしい………。

公式から楽曲がいくつか紹介されています。

 

UIが親切

ここ最近遊んだ中でトップレベルで操作がしやすいゲームでした。かゆいところに手が届く親切設計。
検索機能・昇順降順の入れ替え・同種効果がまとまっている・操作がワンボタンで済む・戦闘演出は早送りできるなど。そのあたりのストレスが全く無いためゲームに集中できます。要素が多いゲームなのにこれだけ使いやすいUIにできるのか…と感動しました。

 

整理整頓されてるなら機械的なビジュアルになるのか、と思いきや、モチーフの1つである星座を生かした神秘的なデザインになっています。綺麗で使いやすいパーフェクトデザイン。

体験版時の感想では「装備画面が遠い」と書きましたが、遊んでみると装備の入れ替えを頻繁にするゲームではなかったのでそこまで気になりませんでした。

 

カクテル知識

全部で300種類以上の実際にあるカクテルが用意されています。1つ1つにカクテルのレシピ、度数、名前の由来や味が書かれていて読むのも面白い。

 

自分もステラアビス見てアマレット買ってきました。甘くておいしい。
有名どころとボトルの形が同じなので、ゲーム内で見たことあるボトルを店で見かけるとテンション上がりますね。

ステラアビスオリジナルのカクテルもありました。材料揃えて作ってみたいですが、度数が強めなので呑めるか怪しい……。

 

惜しい点

敵の種類・陣形パターンが少ない

敵は基本型の色違い・造形違いで増やしているので見た目の変わり映えがしません。攻撃方法は違いますが、見た目がほぼ同じなので新しいワールドに行っても目新しさは薄め。

敵の陣形も同じことが多め。敵の配置は完全ランダムではなく、用意された定型陣形をランダムで出してる?っぽい。それが1種類の敵に対して2〜3種類?くらいしかないので頻繁に同じ陣形と当たります。繰り返し遊ぶローグライクにしては種類が少ないなと感じました。

また、1度ワールドボス倒して改めてそのワールドに最後まで行ってもボスがいません。自分がバトルしたがりな性分なもので、締めに弱体化ボスでも置いててほしかったなと。
ただ「やることが多い上に最後まで辿り着くのが大変だからボスを置いてない」のはありそう。装備強化の周回をしてボスに負けたら無くなっちゃいますからね。ボスはいませんが、ご褒美としてちょっといい宝箱が確定で置いてあります。

 

役割が大きい

これは惜しいというか、思い切ったことしててビックリした点。
途中で1人を選ぶ機会があるんですが、その1人の重要度がかなり大きくてビックリしました。ネタバレなので伏せます。

(ネタバレなので詳細はクリック)

あれだけキャラがいる中で、中盤〜最後まで選択したキャラ+マスター(確定)としか仲間になれないのは思い切ったなと。
「罪人を連れて来い」だから、あまり好きじゃないキャラを連れて行った人もいるのでは…?自分は箱推しで、深く考えず早めに仲良くなって戦闘バランスも良い人(バラン)を連れて行ったので楽でしたが。

ボスも1度しか戦えないのでセリフ差分が気になる……。初めから遊ぶ以外で差分を見る方法あるんですかね…。

 

まとめ

新規IPとして独自性もありますし、ストーリー・ゲームシステム・操作感・音楽も良く、印象に残るゲームでした。正直神ゲーの部類なのでもっと知名度が上がっていいゲーム。続編が出るか分かりませんが、出たら買うレベルで気に入っています。


自分は日本一ソフトウェアさんのゲームを遊ぶのは初めて。どんなゲームを作る会社さんか分からなかったので、X(Twitter)の宣伝方法を見てましたが、キャラクターメインのゲーム作りが多いんですかね?
「ステラアビスもキャラ推しの宣伝してるし、メインビジュアルもキャラ多いからキャラゲーかなあ」と思ってたら、想像以上に戦闘システム・育成要素・UIがしっかりしてました。もちろんキャラも魅力的ですし。全体の完成度がとても高い。

セーブデータが引き継げる無料体験版が出ているので、それで雰囲気掴んでもらうのがいいですかね。Switch、PS4・5から発売中で7,920円。フルプライスですが自分はお値段以上楽しませてもらいました。おすすめ。