ぽつねんブログ

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【バディミッション BOND】紹介と感想

ネタバレ伏せたゲーム紹介と感想。

 

 

 

何ゲーなの?

一言で言うと「話を読むゲー」です。
こういったストーリーメインのアドベンチャーゲームは10時間前後でクリアできるものが多いですが、バディミッションはクリアに20時間ほどかかります。
それだけシナリオ量が多く、開発陣もシナリオに力を入れていてユーザーにもシナリオを褒められているゲーム。ファミ通・電撃ゲームアワード2021アドベンチャー部門最優秀賞受賞作品。

任天堂コーエー(ルビーパーティーの共同開発ゲーム。
ゲームの販売は任天堂から(カタログチケット対応)。ゲーム以外のグッズ類はコーエー側から発売されています。

 

 

 

ストーリー

亡き養父の夢を継ぎ、ヒーローを目指す警察官ルークと被害総額・数百億ともいわれる「怪盗ビースト」こと、アーロン。数奇な出会いが2人の運命を大きく変えていく……。
頼れる相棒として助け合い、時にはぶつかり合いながら、ルークの父の死の謎、そして世界を揺るがす大きな陰謀に立ち向かう熱き友情の物語


警察官のルーク、大怪盗ビーストことアーロン、陽気な恋多き忍者のモクマ、冷徹な詐欺師のチェズレイは、光と闇がうごめくこの島で真実を突き止めることができるのか?

ー引用:バディミッション BOND ダウンロード版 | My Nintendo Store(マイニンテンドーストア) 

凸凹な仲間と共に父の死の真相を追求していくストーリー。
「人との関係性を描く」ことに重きを置かれたシナリオゲームです。その描写や言葉選びが秀逸。推理やアクションの難易度は控えめ。

テキスト量がとても多く、クリアには20時間以上かかります。会話には選択肢がありますが分岐要因にならないので好きに選んでOK。

最初は1つの確定エンディングへ進み、サイドストーリーを読み進めると別エンディングに進みます。このゲームは「コンプリートマークが3個付いたら全クリ」です。

 

進め方

「会話→事件が起こる→捜査する→(潜入→戦闘→)会話」の形で進んでいきます。
潜入・戦闘が無いミッションもありますが、ある場合は約1時間はかかるくらい長め。

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1つ1つのメインミッションが長いため、本筋と深く関わらない小話は「バディエピソード」「サイドエピソード」と別枠が設けられています。
この2つは「一方その頃」の話。読んでおくとメインストーリーの理解度が深まります。操作も無く、本当に話を読むだけのエピソード。ここの文章量が想像以上に多くて驚きます。

バディ・サイドエピソードを見るタイミングは?

自分が見たい時に見る形で大丈夫です。

個人的には「クリア後に一気に見るのではなく、エピソードが解禁されたタイミングで、順番に、見てもらいたい」派。クリア後に「あっこれクリア前に見たかったな」と思った話があったので。

 

ゲーム性

会話パート以外だと、「捜査」「潜入」「戦闘」があります。

難易度は総じて優しめ。ゲームオーバー概念が無いため、間違い続けても大丈夫です。
代わりに右上のヒーローゲージが減っていきます。クリア時のヒーローゲージの残量で評価がつけられ、良い評価だとバディ・サイドエピソードの解放量が増えます。

 

捜査

聞き込みをして潜入時の情報を調べるパート。
歩数制限があるため「規定内にどう回ると効率がいいか」「誰に聞き込みをしてもらうといいのか」を考えて動かします。

潜入

潜入ルートは毎回2ルート用意されています。捜査で聞き込みをした内容を元に選ぶのが良さげ。3Dモデルを動かして進みます。

仲間が増えてくると「誰と誰で潜入に向かうのか」「どちらのルートを選ぶのか」で会話内容が変わってきます。会話は変わっても結末は変わらないため、会話を聞きたいコンビで選んでOK。ここの差分がとても多いです。

戦闘

潜入の最後にボスとのQTE*。苦手な人は苦手。
ゲームオーバーが無いため、敵から攻撃を喰らいまくっても死んだり退場になることはありません。

QTE=規定時間内にタイミング合わせてボタンを押したり連打するシステム。

 

 

向き・不向き

オススメな人
  • 人間関係の描写が丁寧で深い話を読みたい人
  • バディものが好きな人
  • 伏線回収が上手な話を読みたい人
  • 丁寧なシナリオを見たい人
  • ルビパのシナリオが好きな人
  • 村田雄介先生の絵が好きな人
向いてなさそうな人
  • 話を読まない人
  • 難しい推理、パズルをしたい人
  • ストーリーよりゲーム性を求める人

とにかくシナリオ重視・話を読むゲームなので、人の話を聞かない人には向いてません。「推理・パズルゲー」ではなく、今までの会話・出来事の中から「思い出すゲーム」です。

ときどき「逆転裁判っぽい」と聞きますが、単語をもじった変な名前、和風ヒーロー枠、ゆるキャラ枠がいるので似てると言われるのかも?伏線が後から効いてくる作りも似てます。

が、ゲーム性は全く違うので注意。ゲーム性が似てると思って買うと全然違うじゃん!になります。ただ「逆裁キャラのノリが好きで、謎解きが難しくなくて、ストーリーにどっぷりハマりたい人」なら向いてそう。

 

 

キャラクター

キャラクターデザインは村田雄介先生。ワンパンマンアイシールド21の作画を担当している漫画家です。とにかく綺麗。
表情差分はもちろん、1枚絵のイベント絵が何十枚もあります。パーツ差し替えではなく立ち絵を1から描き直したり、2Dライブのように動かしたりアニメーションになったりと豪華。村田先生の絵が好きな人にはとてもオススメ。

 

選択肢によって台詞や反応が変わりますがほぼフルボイス。ちょっとした違いで変わるので、凄まじい量があります。

メイン4人の声優は木村良平さん、近藤隆さん、森川智之さん、浪川大輔さんが担当。
サブメインキャラには田中敦子さん、上坂すみれさん、若本規夫さん、子安武人さん、小山力也さん、井上喜久子さんが担当。大御所が出揃ったすごいメンバー。

 

女性向け?

「バディもの」「人との関係性を丁寧に深く描いている」シナリオなので、親密に見える=恋愛にとらえる人もいるのかも?自分はその辺りは全く感じず、「バディもの」「友情ものの少年漫画」として普通に遊んでました。

「開発初期は乙女ゲーにする案もあった」とのこと。でも「対象を広げたい」とのことで最終的に乙女ゲー路線は無くなっています。

 

レーティング

CERO C(15歳以上)。アイコンは「ギャンブル・犯罪・麻薬・言葉・その他」。
主人公は警察のため犯罪ギャンブル麻薬は付き物。その中でも「薬」の割合が強めなので、対象年齢が高くなったのかなと。
イラストに傷や血の描写は無いので苦手な人でも大丈夫そう。声優さんが迫真の演技をしてくれます。

 

良かったところ

シナリオ全般

言葉選びが秀逸でシナリオが丁寧。クリア後に話を見返すと全然違った見方ができます。
バディミは「終盤がすごいタイプ」。それまでは丁寧に話を書き出しているので、人によっては「話が進まない」「話が長い」と思うかも。自分も最初は思ってましたが、進まないな…と感じる辺りでちょうど転換が起きるのでやっぱり話作りが上手。

また、紛争・マスコミ・伝統と開発・血筋といった扱いが難しい題材が出てきます。大体は答えを濁す中、バディミはバディミなりの答えを出せています。

バディミには「ヒーロー」もテーマに取り上げられています。最近は「ヒーロー=偽善、むしろ悪」の作品が多めですが、バディミは本来の「ヒーロー」で扱ってくれます。超人ではなく、一般的で等身大なヒーロー像を久しぶりに見た気がして、逆に新鮮に感じました。

声優の演技

とても自然に、リアルに演じてくれています。「媚びた」演技が無いのが良いです。

個人的には若本さんがいつものクセ強めな喋り方ではなく、「普通の口調で話している」ことに感動しました。

イラストの豊富さ

とにかくイラストの枚数と差分が多め。その1枚1枚が美麗なのもすごい。

会話時には内容に応じて表情が変わります。「深刻な話しているのに他キャラは笑顔」みたいな矛盾を丁寧に無くしていたり、逆に「良い話しているのに片方では思案顔」と立ち絵だけで各心情を出せています。表現方法が多彩で上手。

イラストは全て村田先生が描いているわけではなさそう。でもクオリティに差が出ていないので優秀。どれも美麗です。

 

惜しいところ

バディ・サイドエピソードの解禁方法

ストーリーものは滞りなく次へ次へ読んでいきたい人が多いと思うので、「同じエピソードもう1回しないとエピソードが解禁されない」のはゲーム性と合わない気がしました。

QTE

判定が独特?なのか、苦戦してる人が多く見受けられます。もうちょっと判定ゆるくても良かったような…?
個人的には逆にもっと難しくていいと思ってたので受け取り方は人によるんですけどね…。

ただQTEに集中して戦闘モーションがじっくり見れないのは惜しい。ここは「バディミのQTEが〜」というよりQTEシステム自体の問題。

 

 

まとめ

自分は「話読むゲーム」は遊ばないんですが、「任天堂がこういうゲーム出すの珍しいな」と思い、無料体験版から遊び始めました。体験版の時点で既に「シナリオがうまいし凝ってる」ことを察したので購入。

久しぶりに手を出した話読むゲーがバディミで良かったです。ネタバレが致命的なゲームなので詳細は伏せますが、終盤の勢いが凄くて好きでした。

いつもは話がサクサク進むゲームばかりやっているので、とても丁寧に描くバディミに長いな…と思うこともありましたが、クリア後に振り返るとほとんど意味がある・理由があることなのも見事。